Nils Petter Molvær / Solid Ether (ECM 1722)

寒いです、雪です、冬です…
こんな時に引っ張り出して聴くのがこれ、Nils Petter MolværSolid Ether.

Nils Petter Molvær

ECM といえば Keith JarretPat Metheny, Jan Garbarek, Egberto Gismonti などのJazz なミュージシャンや, Sir András Schiff などクラシック畑の作品をリリースしてます.
“The Most Beautiful Sound Next To Silence” と言われる音作りがなされているレーベルからはこの作品はちょっと異質です. ノルウェーのトランぺッター Nils Petter Molvær の1999年リリース “Solid Ether“.

Solid Ether

1曲目の冒頭は淡々としたトランペットのソロから始まります, なんとなく北欧の暗い海辺を思い起こします. そしてしばらくしてバリバリのエレクトロニクスサウンドが炸裂. でもエレクトロサウンドが熱くないんです. 決して面白くない,ということじゃないんです. 凄くカッコいいんですが熱くない, とてもクールなんです.

2曲目の”Vilderness 1″が一番のお気に入り. 曲の最初からためて、ためて、ためて、ためて、もう辛抱できないところで大爆発するところがたまらなくカッコいいんです. 上の動画だと3:05あたり. 爆発の度合いはCDの方が良いかなぁ…

そしてアルバムの中間と最後にNILSさんのピアノとSidsel Endresen のボーカルの”Merciful 1″, “Merciful 2”. 殺伐としたエレクトロニクスサウンドの合間の静寂、歌詞の通り、北欧の極寒の列車が行ってしまった後の誰もいない駅を思い起こします.

アルバムタイトルの “Solid Ether”を含め全曲とも鉛色の空、凍てついた大地、極寒の景色をイメージさせます. だけどそこには絶望や諦めという感情は感じません. 何かとても落ち着いた、静かだけど内面の力強い意思のようなものを感じる一枚です.

今日の夜のような雪が降り積もる夜に車を走らせてるときに聴くとすごく良いんです.
ここしばらくはこのアルバムの出番増えるなぁ…