長雨のおかげで急に気温が下がって、お盆の頃とは言え毎日最高気温が20℃を割っている今日この頃. すっかり夏も終わってしまった雰囲気です.
そんな中、どうしても紹介したい夏に聴いている1枚をピックアップします.
この時期に限らずオールシーズンでの愛聴盤の一枚です.
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Dominic Miller
Dominic Millerさんの経歴から.
1960年アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ. その後、アメリカ、イギリスに移住.
11歳からギターを始め、ボストン・バークリー音楽大学、ロンドン・ギルドホール音楽演劇学校で学ぶ輝かしい経歴.
フィル・コリンズのアルバム “…But Seriously” のセッションに参加. その後、様々なアルバムに参加、 Sting のレコーディング、およびツアーのサポートギタリストとして参加しているのが最も有名かと.
こちらのアルバムではギタープレイだけではなく、楽曲も提供しているようです.
Absinthe
2019年にECM records からリリースされた本作品 Absihthe.
ECM records からは Silent Light に続き2作目となります.
参加ミュージシャンは以下の通り.
- Dominic Miller : guitar
- Santiago Arias: bandoneon
- Mike Lindup: keyboard
- Nicolas Fiszman: bass
- Manu Katche: drums
内ジャケットのご本人のショット. なかなかの面構え.
参加メンバー全員のショット. ナイスガイ、ロックな雰囲気を感じます.
かなり考えられ、練りつくされた内容
まず、最初に聴いた印象.
どのトラックを取っても
とても聴きやすい
ギタリストのソロアルバムに良くありがちな傾向として、
ちょっとギター弾きすぎやろ
というところは全くありません.
バンドとしてのアンサンブルを第一に考え、楽曲のイニシアチブはどちらかというと Santiago Arias の bandoneon に取らせています.
音の厚さもごっちゃりせずに心地良い隙間があって、それを各自が(リズムセクションを含む)うまく埋めていって、サッカーの素早いパス交換のような心地よい連帯感を感じます.
そればかりではなく全トラックが5分程度で、そして各楽曲がちゃんと事前にしっかり構成が考えられ、さらに練られています. 捨て曲は1曲もありません.
そのため, とても聴きやすい、聴いていて全く疲れないのがこのアルバムの特色です.
かつての (ちょっと難解になる前の) Pat Metheny Group のような音が垣間見らえる、という点も ECM ファンとしては嬉しい限りです.
内ジャケットのギターを持ったショットを見ると、やっぱりギター弾くのが好きなんだなぁ、なんて気がしてきます.
ECM records としては異色の作品?
ECM records の作品は昔から大好きで、機会があれば集めるようにしてます.
中古レコード屋さんでECMの作品を見つけたら買うようにしてました.
静寂の次に最も美しい音”を掲げるレーベルとして有名な ECM レーベルです.
しかしながら、巷で言われるのは、
玉石混交
買ってから一度も全部聴かないで棚にしまったままのCDも何枚かあるのは事実.
もちろん私のリスナーとしての力量が足りないのも当然あります、
それでなくても、1曲めは「おっ」と思うけども、それ以降がなんとも…という作品も少なく無いのが事実.
ECM records の昔からファンなのでそういう作品を買ってしまっても後悔は微塵もありません.
ECM records の創設者であり、ほとんどの作品のプロデュースしている Manfred Eicher がレコーディングにあまり時間をかけない、というのを昔何かで読んだ記憶があります.
この本だったかなぁ…と、いま読みなおしているところです.
レコーディングに時間をかけない、ということは楽曲をあまり練らずに作られてしまっているので…ちょっと聴くには…ということになってしまうのかなぁ…なんて思ってます.
あくまで私個人の推測です… (たぶんそんなことは無いと思いますが…)
何にしろ聴き手の力量が必要とする作品が少なく無い、という印象を持ちます.
そういう背景がある中、Absinthe はアルバム全部を何回聴いても疲れない、もっと聴いていたい、というECM としては稀有な作品です.
本作の出会い
2年前の6月にヨーロッパ(チェコ、オーストリア、ハンガリー)に旅行に行った際、成田からワルシャワまで乗ったポーランド航空の機内エンターテイメントでこの作品に出合いました.
機内食を食べて、観たい映画を観て、オーディオシステムのこの作品を見つけました.
何度も何度も繰り返し聴いているうちに気が付いたらワルシャワに到着してた、という記憶があります.
そのような意味でこのAbsintheは思い出深い作品です.
その旅行の話はまた別の機会に…