Sky Trails / David Crosby

あっというまに7月も中旬となりました.

この時期に聴いてる一枚の紹介です.

3年ほど前、ラジオで偶然耳にして気に入って以来、ずっと聴いてます. 私の愛聴盤の一枚.

David Crosby 御大の Sky Trails.

David Crosby

1941年生まれ、今年の8月で傘寿を迎えられる David Crosby. 制作活動も活発で、近年定期的にソロアルバムをリリースされてます.

クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの一員で、超有名作のデジャ・ヴは拝聴したことがあります. 素晴らしい作品です.

しかしながら、他の作品は聴いたことが無く、バーズの一員だったとはこのブログを書くために調べて初めて知った次第です. お恥ずかしい限り…

ですので、ソロアルバムもクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングのようなアメリカン・ロックを予想していたのですが…見事に裏切られました.

Sky Trails

Sky Trails は 2017年9月にリリースされたDavid Crosby の6枚目のソロアルバム.

実の息子であるJames Raymondがプロデュースを担当.

ラジオで偶然、1曲目の “She’s Gotta Be Somewhere” を聴き、即座に気に入りました.

以降、お気に入りのトラックを紹介します.

1. “She’s Gotta Be Somewhere”

テンションコードを多用したJames Raymondによるエレクトリック・ピアノのテーマから入り、軽快なシャッフルビートに乗って曲が始まります.

リズムは軽快ですけど複雑なコードでどんよりとした曇り空をイメージします.

David CrosbyとJames RaymondもファンであるSteely Danへのオマージュと言われるこの曲. 確かにそんな気がします.

決してがなり立てることなく、静かに歌い上げるDavid Crosbyのボーカルが素晴らしい.

複雑なコード進行によるスリリングな展開ですが、なぜか聴いていて心落ち着く曲.

素晴らしいベースのフレーズが聴けるのですが、なんと James Raymond のシンセサイザー・ベースによるものとは. このベースラインがとてもかっこいんですよ.

クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングのような音楽とは違い、ジャズ・ロックにジャンル分けされてます. なるほど.

3.”Sell Me a Diamond”

静かにピアノのフレーズから入る曲、とても空間を感じさせる音.

英語は苦手ですけど、歌詞が印象的です.

俺にダイヤモンドを売ってくれ、俺は知らなければならない.
この取引が手放す鍵であるなら.

俺のポケットをまさぐれば、指輪が見つかるだろう
何も失わなければ犯罪じゃないだろう

というような歌詞ですが、おそらくダブルミーニング、トリプルミーニングがあるんでしょう. 歌詞の本位は良くわかりませんが, それを超えたなにかが伝わってくるようです.

曲の後半からエンディングにかけて火のでるようなスライド・ギターソロが素晴らしい.

4. “Before Tomorrow Falls on Love”

Michael McDonald との合作.

この曲が一番のお気に入りです.

ベースのテーマから静かに入る曲、空間を感じさせる心落ち着く曲.

そして複雑でスリリングなコード進行ではあるけれども、気持ちをリラックスさせる音.

何か荒涼とした景色を前にした光景が目に浮かびます.

7.”Amelia”

ご存じ Joni Mitchell のカバー.

原曲に忠実に歌われていて、かつ、このアルバムで共通した空間を感じさせる音もこのトラックでも聴くことができます.

Ameria が収録されている Joni Mitchell のアルバムについてはこちら.

アルバム全体として

全体的に空間を感じさせる音. とはいっても音が薄い、ということではなく、その空間がとても心地良いんです.

そこが計算されたモノじゃないかなぁ、と思ってます. プロデューサーの James Raymond の手腕とも言えるでしょう.

心落ち着く一枚, 昼間聴いても、夜に聴いても良しの一枚です.

FOR FREE

先にも書きましたが, 今年の8月で80歳となる David Crosby 御大.

創作活動も活発で新しいソロアルバム FOR FREE を今月後半にリリースされるとのこと.

アルバムから何曲か聴きましたが、これがなかなか良いんです. Michael McDonald との合作のこの曲が特に良いんです.

後日このアルバムもレビューいたします.