2月1日にNTT DoCoMoが携帯にIPv6アドレスだけを割り当てるIPv6シングルスタックに切りかえる、というニュースを1月の末に聞きました.
内心、何もなければいいのだが…と思っていました.…
ところが案の定と申しましょうかこのような事態となりました…
【お詫び】
— NTTドコモ (@docomo) February 1, 2022
2月1日(火)午前8時頃より、ドコモのインターネット通信がご利用しづらい事象が発生しております。
お客さまには、大変ご迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
復旧の見込みについては、改めてお知らせいたします。
▷https://t.co/Fjuax7g93w
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けっこう大変な変更なはずなんですけど…
今回の変更、IPv6シングルスタック化についての説明ですが
ドコモ、IPv6シングルスタック方式開始。IPv4枯渇問題に対応 https://t.co/nLkU3wMDzk pic.twitter.com/ER6t0juxzV
— Impress Watch (@impress_watch) January 31, 2022
NTT DoCoMoの回線を使っている端末のIPアドレスがすべてIPv6だけに変更されるということです.
後で調べたら今回の変更の対象となるのは一部の端末だけ、だそうです.
世の中のDoCoMo回線を使っている端末で、その端末を利用するサービスすべてに影響する変更です.
これはかなり大変な変更ではないのか?
と最初のニュースを聞いた感想です.
ニュースを聞いたときに心配したことが実際に起こったわけです.
私はDoCoMoユーザーではないので(当事者であるDoCoMoユーザーの方々すみません…)傍観していましたが, これはおそらく
この時代に避けようがないこと
ではないか、と思っています.
事前テストで完全に不具合を出し切るのはもう限界なのでは…?
おそらく当然のことではありますが, DoCoMoのエンジニアの方々は IPv6 シングルスタック化に向けて事前検証されたことかと思います.
ただ、これだけスマートフォンが普及して、なおかついろんなメーカー、様々なユーザーが多種多様なサービスを利用しているこの現在、すべての利用形態で試験するなど不可能なはず.
ここらへんで(システムサービスの提供に対して)何か変わっていく必要があるのかなぁ、なんて思ったりしてます.
事前にシステム変更のアナウンスが必要なのかなぁ…
最善を尽くして事前テストを行いますが、先にも書いたように組み合わせによっては想定しない不具合が発生する可能性は十分にあります.
それが発生することをある程度許容しながらシステムの変更を行っていく、ということになるのか、なんて思ってりしてます.
高速道路の工事予告のように,
- ×月×日システムの更新が行われます.
- この変更は○○のために必要な更新です.
- 更新後は◇◇の性能が向上します.
- ただし、更新直後には△△のような障害が発生する可能性があります.
等のシステム更新の予告が必要な世の中になるのでは?と.
その予告があれば利用するユーザーも携帯が使えないことを想定して、重要なスケジュールはその日を外すとか、スマホ決済が使えないことを想定して現金を持ち歩く、とか何らかの対処ができるんですが…
ただ今回の一番の問題点は、この変更を大きくユーザーに知らせてなかったことにある、ということかなぁ、なんて何の関係もない傍観者は思いました.
システムに変更を加えても不具合は起こらない前提で物事を進めるのは限界が来ているのかな?なんてこの出来事で思った次第です.
バージョンアップでは何かが起こる
ネットワークのシステム変更に限らず、普段使っているスマートフォン、PC、最近ではテレビなどの家電製品もネットワーク経由のソフトウェア・バージョンアップが行われてます.
そんななかシャープのTVのバージョンアップに伴う不具合のニュース、
本日早朝にかけて実施されたAndroid TVのアップデートの結果、テレビが映らない(再起動を繰り返す)という不具合が発生しました。発信が遅れたこと、コールセンターが繋がりにくいなど、現在もご迷惑おかけしております。申し訳ありません。まず対象はこちら、2019年7月以降に発売されたテレビです。 pic.twitter.com/yJ5uwOoRdj
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) February 1, 2022
組み込みソフトウェアの開発を生業としている身としては他人事ではなく、どこのメーカーでも起こる可能性がある事象
まさに他山の石としてソフトウェア品質の向上に精進しなくては、と思う次第…
ユーザー観点でバージョンアップにともなうトラブルを避ける方法はないのか?
さて、一旦ユーザー目線でシステム変更やソフトウェアのバージョンアップに伴うトラブルを避ける方法はないのか?について考えてみました.
やはり重要なのはいつシステム変更やソフトウェアのバージョンアップが行われるかが告知されているか?につきるかと…
これをユーザーが知らないとトラブルを避けようがないと思います.
例えば、Android のメジャーバージョンアップはユーザーが選んだタイミングで行われます
ユーザーがソフトウェアのバージョンアップのタイミングを選べれば
- (仕事など大事な電話がかかってきそうな)タイミングは避ける
- 旅行先など万が一トラブルが発生して対応できなさそうな場所は避ける
- バージョンアップの前にスマートフォンにしかないような大事なメモは書き写すなどの対処ができる
- スマートフォン決済ができないことを想定してクレジットカード、現金を用意しておく
- などなど
といった対処が可能です.
ソフトウェアを使うユーザーとして
- バージョンアップによって、新しい機能が使える、不具合の修正などといった良い面
- メーカーが想定してない使い方やデバイスの組み合わせでのバグ発生のリスクがある
という二面性があることを知っておいて良いかと思います.
では