3年ぶりにInterop Tokyoに行ってきた.

3年ぶりに幕張メッセで行われてる Interop Tokyo に行ってきました.

Interop22

Interop Tokyo はかれこれ20年前くらいからほぼ毎年観に行ってます.

きっかけはBSD BOF(Birds Of a Feather) BSDなひとときを目当てでした.

生のBSDの情報が得られる貴重な体験でした. それ以来, 会社にお願いしてほぼ毎年通わせていただいております.

行ってみると何がしかの情報が得られるし、何よりこの雰囲気がとても良い. 仕事へのモチベーションが上がります.

ただ、来年5月で定年ですので、現役で観に行くのはこれが最後となります…悲しい…

ShowNet

会場は広いので1日で全部回るのはまず不可能ですし、年々年齢のせいなのか、広い会場を見て歩き回るのはしんどくなりました(笑)

ここ数年はShowNetを中心に見て回るようにしています.

ShowNetとは

Interop Tokyoでは、会場内にネットワークを構築する「ShowNet」というプロジェクトを実施しています。

会場内に構築されるこのネットワークは、出展社から提供された1500台以上の製品・サービスと、約400名ものトップエンジニア達が幕張メッセに集結して構築されます。

幕張メッセの会場全体をインターネットに接続している実稼働ネットワークでありながら、各種の相互接続実証やチャレンジを実施するという巨大プロジェクトです。

Interop 2022 ShowNetとは、より抜粋
ShowNet2022のネットワーク構成図

毎年最新の機器と最新の技術をチャレンジャブルに組み込んだネットワークを実際に触れることができます.

ShowNet FreeWi-Fi

会場内ではShowNetが提供する ShowNet Free Wi-Fi が用意されて、実際に自前のデバイスで最新のネットワークを体験することが出来ます.

実際に接続してみると、一旦認証画面にリダイレクトされます.

Wi-Fi6で IPv6シングルスタックネットワークに接続されます.

IPv6 のテスト結果はこちら

一応 IPv4 アドレスも振り出され、IPv4 の通信も可能です.

今年のShowNetのポイントのひとつが、SRv6によるSingle-Stack Multi-Serviceバックボーン.

IPv4のトラフィックはIPv6にカプセル化されSRv6によって所望のネットワークに送られる、とのこと.

Wi-Fi設計もとても工夫されていてL2 VPNで柔軟なローミング対応がされおり、どこに移動しても安定したネットワーク環境が提供されています.

あ、通信速度を測定しようとすると、攻撃と見なされてネットワークから切断されることがあるのでご注意を…経験者は語る(笑)

念願のShowNetウォーキングツアーに参加した!

ShowNet のNOC(ネットワークオペレーションセンター)チームの方々が実際に稼働中のネットワーク機器の解説されるウォーキングツアー.

とても人気があって毎年チケット完売してしまって参加できませんでしたが、今年は運よく参加できました. 初参加です.

NOCチームの方々の説明を聞きながらネットワーク機器の展示を見ると分かり易い!

ShowNetの外部接続図

ShowNetウォーキングツアーメモ

自分で理解できた範囲のメモです

サイバー脅威検出のラック

このラックでネットワークの攻撃等を検出し、必要に応じて遮断を行い、またそれらの情報をクラウド上に保存する、とのこと.

ラック内に100Gのワイヤースピードでネットワーク上のデータをキャプチャするネットワークキャプチャが稼働してます.

会期前のリハーサルから期間終了までの間のデータをこのネットワークキャプチャで記録できる、とのこと.

ローカル 5G

今回の目玉のひとつがローカル 5G ネットワーク.

高画質の動画をローカル 5G ネットワークにのせて、低遅延で配送されるデモが実施されてます.

左側がローカル5Gを経由した動画、右側が直接再生された動画.
両者に時間差は目で見る限りほぼありません.

写真では見づらいですが、ブースの奥にテントがあります. テントの中には5Gの端末と基地局があり、5Gの電波がテント内で吹いてます.

テントは5Gの電波を遮断する働きがあり、外の測定結果では該当の帯域が減衰されていることが分かりました.

5Gのネットワークではノード間の時刻合わせが必須とのこと、このラックがその役割を担っています.

ROME mini

ラック内の配線は光ファイバーで行われてますが, 機器間の配線の変更は人の手が必要でした.

光配線切替ロボットの小型版「ROME mini」ではリモートから配線の変更を可能にしたものです.

Media over IP

低遅延で高帯域の動画伝送のデモ.

会場で撮影した動画を SRv6 によって大阪に一旦送り、それを再度幕張に戻す配信デモが行われてました.

SDI信号を直接ネットワーク・スイッチに入力できるモジュールの展示. …実は帰宅してからこんな展示があったことに気が付きました…

カメラ・スイッチャーもIPで行う時代となったんですね…

最後に紹介されたがNOCチームの作業ブース.

ネットワーク監視作業に余念のないNOCチームの方たち.

ShowNetスタジオ配信

Media over IP Pavilion ではMedia over IP技術をフルに活用した超低遅延ライブ配信が行われてます. ShowNetの貴重な情報をリモートでも受けることが可能.

ちょうど立ち寄った際「ShowNetで見るSegment Routingの進化とこれから」のライブ配信を生で拝聴.

SRv6 についての解説、とても分かり易い.

IPv6の拡張ヘッダに経路情報を128bitのIPv6アドレスで格納するのがSRv6の特徴.

ルーターだけではなく、サーバー、もしかしたら個々の端末でも利用できるかもしれない SRv6. とても興味深い.

毎年チャレンジャブルな技術にトライされているShowNetのNOCチームの方々.

draft でまだ仕様が詳細に決まっていないプロトコルも積極的に取り入れ、結果的にShowNet構築で出て来た案をIETFに提案する活動も行われており、文字通り最先端のネットワーク技術がここにあります.

そういう技術に触れられるだけでも、ここに来る価値、あります.

JPRS セミナー DNS の「HTTPSレコード」ってどんなもの

JPRSのブースでは、初心者向けのDNSの解説からDNS最新動向まで様々な有益なセミナーが行われており、毎年欠かさず参加してます.

今年はDNS の「HTTPSレコード」ってどんなもの? というセミナーを拝聴.

HTTPS接続する際、クライアントとサーバー間でお互いの能力をネゴシエーションによってやりとりして接続方法を決定していきます.

このため、何度も問い合わせが行われ、その結果、接続に時間を要する問題が発生しています.

その対策として、DNS の Reply にHTTPSレコードとして Webサーバーのサービスパラメータ情報を載せておくことで複数回発生する問い合わせが不要となり、接続時間の短縮が期待できます.

HTTPSレコード (Tyep 65) で格納される情報例.

IETFでは標準化作業が完了してるが、RFCは発行待ち状態.

そんな状況ではあるけれどもすでに実装は進んでいる状況. Safari は実装済み、さらにデフォルトでHTTPSレコードが有効になってるとのこと.

複数のCDN事業者、DNS事業者でもHTTPSレコード対応済なので、今の仕事に直結する情報、これはありがたい情報.

オライリー・ジャパン

毎回楽しみにしているのが、ここ、オライリー・ジャパンのブース.

会場で先行して新刊が発売されてたり,

ブース全品20%引きで購入できたり、お得なので、欲しい本はここで買うようにしています.

先行で、限定価格で発売されてた「リーダーの作法」と、以前より欲しかった「ユニコーン企業のひみつ」を購入.

おまけとしてオライリー・ジャパンの書籍型のメモパッドを頂きました…これにつられて買った、という見方もできます(笑)

毎年このブースで恒例のオライリーガチャガチャ.
書籍の表紙に登場する動物たちの缶バッチが入ってます.

ガチャガチャのマシンにはまつもとゆきひろさんと、Larry Wall さんのサインがあります.

ミーハーな私は毎回ここで写真を撮る(笑)

今回の成果はこちら

番外編: 昼食はマントラさんでカレーと決めている

ここ数年、Interop に来たら昼ごはんはマントラ幕張店ランチバイキングを食べると心に決めてます.

4種類のカレーとナン、サフランライス、サラダが食べ放題.

左上から時計まわりにマイルドな野菜カレー、ダルカレー、辛口のチキンカレー、酸味の効いたエッグカレー.

どれも美味しいですが、個人的には野菜カレーが一番好きです.

お昼の時間は混みあって行列ができるのでセミナー等の時間を確認の上、時間をずらせて来店するのが良いでしょう.

来年も是非来たいんだけど…

ミーハーだの、物見遊山だの何と言われようと、やっぱりこの雰囲気は良い、ワクワクする…来年も是非行ってみたい…けど難しいかなぁ…まぁ、なんとかなるでしょう.

では.