シンコーミュージックから RUSH の40年の活動を一冊にまとめた本、ラッシュ その軌跡と栄光 が出版されました.
日本語で読めるRUSHの本は貴重です. さすがはシンコー・ミュージックさんです、感謝です.
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Table of Contents
ラッシュ その軌跡と栄光
RUSHの40年以上のヒストリー、スタジオ・アルバム、ライブ・アルバム、映像作品、そしてソロ作品を含めたディスコグラフィー、テリー・ブラウン、ラウドネスの山下昌良、SIAM SHADEのDAITAのインタビューが掲載.
特にデビューアルバム RUSH から9作目の SIGNALS までプロデュースを担当してたテリー・ブラウンのインタビューは貴重です.
そして、シンコー・ミュージックの雑誌、MUSIC LIFE、Young Guitar、Burn!に過去掲載されたRUSHのインタビューが採録されてます.
Geddy LeeとAlex Lifeson のインタビュー記事は良く読むのですが, Neil Peartのインタビューをちゃんと読んだのは初めてかもしれません. これも貴重な記事.
日本公演追憶レヴュー
特によかった記事が1984年の最初で最後の日本公演追憶レヴュー記事.
1984年11月20日の大阪府立体育館の公演レビュー記事が載ってますが、これ、私も行きました.
これがその時のパンフレットです. 家宝です(笑)
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Grace Under Pressure をリリースした1984年、Grace Under Pressure Tour としての来日公演.
いまから40年近い昔のこと、記憶もあいまいになってるところに日本公演追憶レヴュー記事はありがたい.
その時のセットリストも掲載されてます. () は収録アルバム名.
- The Spirit of Radio (Permanent Waves)
- Subdivisions (Signals)
- The Body Electric (Grace Under Pressure)
- The Enemy Within (Grace Under Pressure)
- The Weapon (Signals)
- Witch Hunt (Moving Pictures)
- New World Man (Signals)
- Between the Wheels (Grace Under Pressure)
- Red Barchetta (Moving Pictures)
- Distant Early Warning (Grace Under Pressure)
- Red Sector A (Grace Under Pressure)
- Closer to the Heart (A Farewell to Kings)
- YYZ – Drum Solo (Moving Pictures)
- II The Temples of Syrinx (2112)
- Tom Sawyer (Moving Pictures)
Encore - Red Lenses (Grace Under Pressure)
- Vital Signs (Moving Pictures)
- Finding My Way (Rush)
- In the Mood (Rush)
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日本公演の思い出
これ書きながらいろいろ思い出しました.
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- 会場の大阪府立体育館. かなり古くて思ったより狭い. ホントにこんなところでやるんかいな?(失礼)と当時思ったほど…
- 会場に入ったらサウンドチェックやってまして、タウラス・ベースペダルの腹に響く重低音が聴こえて、あーやっぱりホントに弾いてるんだ(これも失礼)と.
- 後ろの席のサラリーマンと思しき方々の会話.
「今日、ラッシュのコンサート行くんや」って言ったら「過激な奴ら多いから気つけていけよ」って、それ「ラッシュ」やなくて「クラッシュ」や.(笑) - オープニングは本書ではトムとジェリーのテーマ曲みたいな、と書いてましたが、本当は三ばか大将 ( The Three Stooges) のテーマ曲です.
- 一曲目の The Spirit of Radio のイントロから総立ち.
- Geddy Leeはスタインバーガー・ベース, Alex Lifeson は改造したストラトキャスター, パンフレットによると本人はヘンタ―・スポーツキャスターと言ってます.
- Neil Peartのドラムキットは前面180度はアコースティックなドラム、背面180度はシモンズのエレクトロドラムキット。ぐるりと360度ドラムキットに囲まれたセット。
- Subdivisions はのシンセから始まる曲。Geddy がシンセからベースにスイッチして自由に動けるようなった瞬間、強力にスキップしながらシンセサイザーの山から離れるのが印象的。
- 当時はYoutubeなど無かったのでLiveはレコードで聴くしかなかったのですが, Witch Hunt のライブ演奏をはじめて聴いた. これが一番かっこよかった、この曲の良さを再確認した.
- RUSHは前もって楽曲の構成はかっちり決めて演奏するタイプだけども, Closer to the Heartの後半は自由にアドリブっぽい演奏するパートを用意してた. 凄く楽しそう.
- YYZからのドラムソロは、前半アコースティック・ドラムキットでソロを、後半、エレクトロ・ドラムキットをつかったソロに移るとき、ステージの規模が小さいせいか、ドラムキットが回転するようになっておらず、Neil が「よっこらしょ」って感じで後ろ向いてソロを再開したのが印象的.
- ステージの後ろに巨大なスクリーンがあって、曲とシンクロしたアニメーションが映されててそれが印象的. メンバーの姿はあまり覚えてないけど、スクリーンに映ってた映像は(細切れだけど)覚えてる.
- 20曲ほど演奏してくれたけど、あっと言う間に終わった感じだなぁ…ああ、もっと観たい!
当時はまた次のアルバムが出たら日本に来てくれるんだ、と甘い考えをしてたんですけどこれが最初で最後の日本公演になるとは…来るのを待ってないで海外にみに行きゃよかった、なんて今更悔いても仕方ない、こればっかりは…
RUSH History を読んで
ちょっと話が横道にすれました.
この本のRUSH Hisotry を読んで Alex と Geddy がシンセサイザーの使用で確執のようなものがあったと書かれてます.
RUSHはその時代でスタイルを大きく変えるバンドで、私が一番好きなRUSHは Moving Picturesの頃、プログレッシブ・ロックのフォーマットを取っていた時代.
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その後 Signals, テリーブラウンの手を離れてから Grace Under Pressure 以降、シンセサイザーが使われる割合が増えて行き、Hold Your Fire でピークに達します.
このアルバムは好きなアルバムの一枚で この曲はRUSHの中で最も好きな曲のひとつです.
この次のアルバム Prest から、シンセサイザー、サンプラーの使用頻度を下げ、よりシンプルなソリッドなギタートリオのスタイルを取っていきます.
Alex が特にシンセサイザーを使う割合を下げるのを強く要求した、と書かれてます. それがGeddy との確執となっていたと. なるほど…
Prest 以降、作品ごとにソリッドでヘビーなギターサウンドとなって行って、ちょっと心離れていたのが正直なところでした.
ただ、この本のRUSH ヒストリーを読んで Prest 以降の作品もちゃんと向き合おうと思ってます.
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このアルバム、あらためて聴きなおしました. サウンドはハードだけれどもメロディが意外になじみやすい、素晴らしい作品です.
日本語で読める RUSH 本、出版されるだけでも感謝モノ
先にも書きましたが、日本語で読めるRUSH本、とても貴重なのです.
出版されるだけでもありがたいと思ってます.
過去に出版されたRUSHの日本語本はこれしかないような気がしてます.
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Grace Under Pressureがリリースされて日本公演があったころに出版されたRUSHのバンド譜. ドレミ楽譜出版社から出版されたもの、私の本棚に永らく眠ってました.
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楽譜であって今回のような読み物ではありません.
あと、私の本棚にあったのがこれ.
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英文なのでまだ読めてません. 買ったのは40年くらい前なんですけどね(笑)
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今回のラッシュ その軌跡と栄光 は、リスナー視点の記事が中心です.
願わくばプレイヤー視点の記事、プレイヤー視点の演奏テクニックの解説や、使用機材の記事などがあったらもっとよかったのに、と思ってます.
まぁ、その演奏者視点で願わくばリットーミュージックさんやプレイヤー・コーポレーションさんあたりがRUSHの本を出してくれないかなぁ、なんて期待してます,
それなりに各社RUSHのコンテンツ持ってるとおもいますので、何卒よろしくおねがいします.